軍事史学会編『大本営陸軍部戦争指導班・機密戦争日誌(上)』(錦正社・1998年)
独ソ戦開始(1941/6/22)までをちょっと再読する。これは昨年に奮発して購入
したものである。それなりの御値段だった。軍人らしく、簡にして要を得た文章に
よる作業日誌で、素っ気ないという人もいるかもしれないが、このリズムの心地
よさは人の心を落ち着かせるものがある。文章の感覚が分からなくなればここに
戻ればいいのではないか。


松岡(外相)と陸軍は親独といっても内実は全然ちがう。松岡はソ連を叩くための
親独だし、陸軍は「支那事変」(中日戦争)を解決するための親独である(それが
南方への侵攻への煽りとなる)。相互に利用しあっているのだろうか?。そこまで
松岡は複雑な人間ではないと日誌では書いているけど(そんなことは書いてない
か。資料の捏造か。参照枠が何処だったっけ)。(遡るが)あと面白いのは、
1940年9月下旬の「統帥権干犯」である(仏印への進駐をめぐる)。あれで陸軍
参謀本部の人事が一新される。日独伊軍事同盟と同時にやろうとしたんだろうが。
結果的に「現場の勇み足」ということにされてしまったが、そんなことはない。
参謀本部自体が混乱しているようだ。