村上一郎

姫路城開城―譜代姫路藩の明治維新作者: 藤原龍雄出版社/メーカー: 神戸新聞総合出版センター発売日: 2009/03メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 是非、お求めください。 この書物でしか読めない史料もあります。 史料でもって…

要するに、あえて難をいえば、村上一郎先生にも、アドルノ=ホルクハイマーの 「啓蒙の弁証法」的な観点は薄いつうか、乏しい面はあるかもね。?。 っていうか、関心がないのかも。戦争の惨禍は近代の理想から必然的に直線的に たどり着いたものかもしれぬっ…

ところで、平岡正明の名著『日本人は中国で何をしたか』(潮出版社・1972年) での731部隊についての記述のなかで、浪速書房の「近代戦史研究会編・吉永 玲子手記」の『人体実験の恐怖』(1970年)という書物が、参考文献として数え られている(平岡さんは…

正月にたまたま温泉宿で日経新聞を読んでたら、中村隆英さんの「戦後経済」の 回顧のインタビューが掲載されていた。とくに1965年(昭和40年)の公債発行に ひとつのターニング・ポイントを見られていたと記憶する。 webで検索すると、1984年の国会大蔵委員…

潮匡人『常識としての軍事学』(中公新書ラクレ・2005年)。どういう雑誌に 連載されていたかなどは問わない。ヴェーバーではなくゾンバルトを持ってきて いるところ(第四章)に虚を衝かれたのだが、それは私が無知だから。 http://cruel.org/econthought/p…

スガ秀実編『1968』(作品社・2005年)のp.43。スガ発言。 天皇制を云々する最近の一部の傾向にしても、そもそも、吉本隆明はともかく、 六〇年代初頭にナショナリズムを再評価してニューレフトに一定の影響を 持った人たちのなかには、七〇年の三島の事件を…

新潟産業大学のケインズ研究者の小峯敦さんの統制経済への言及。 http://www.nsu.ac.jp/econ/staff/komine/hope/JEGS.pdf ケインズ研究者による言及だからこそ面白いという意味がある*1。 松井春生『經濟參謀本部論』(日本評論社・1934年)の検索から当たっ…

最近の神戸新聞(1/10。共同通信系もそうなのだろうか)に辻政信の弟の政良氏の 政信論が自宅で発見されたという。それについて識者にコメントを求めている のだが、求められているのが、福井雄三氏(大阪青山短大助教授)。検索して みると、http://tendensh…

原武史+保坂正康『対論昭和天皇』*1(文春新書・2004年)で、2・26事件のとき 秩父宮の乗る列車に平泉澄が合流して一時間半にわたって会談したことについて の記述がある(p.203)。そして平泉はのちに 「みちのくのつもる白雪かき分けていま日の皇子は登りま…

田中久(陸軍大佐)『兵法三國志』(新正堂・1942年)に石原莞爾さんの 序文がある。三國志(日本軍=呉、国民党=蜀、共産党=魏)の先行きを占う、 という微言があるのだろうか。石原系の人物だ?ということは拡大策には反対 だったのだろうか。 検索する…

村上一郎さんが「日本暴力考」(『浪曼者の魂魄』=p.274)で 大楠公の湊川の戦いは、主力軍たる新田義貞がみすみす戦力を壊滅 することなく、自らを温存して都へ帰り、宮方(みやがた)の力を 保守するように仕組んだ犠牲戦である。この兵力配備、戦闘経過…

http://d.hatena.ne.jp/takeship/20041218 ●;村上一郎氏に「編集とは何か」と断言めいたことを聞かされた。その強い記憶が 残っている。氏が紀伊國屋書店出版部の嘱託か何かを勤めていた頃だ。出版部は 市ヶ谷と四谷の線路沿いにあった。しもた屋を改造した…

また早漏野郎といわれるかもしれないが、最近はちょっとベタなことを考えている。 つまり、平泉・網野のアジール論と、美濃部・原の公法論とのドッキング(直結)。 日本における「公」とは何なんだろうか、と。私らは、かつてとちがって国営化 ではなく、私…

内田樹先生の今日の日記から。目に鱗。長くなるが。 一方、日本の戦後マンガのヒーローものの説話的定型は「生来ひよわな少年」が、ものの はずみで「恐るべき破壊力をもったモビルスーツ状のメカ」の「操縦」を委ねられ、「無垢な 魂を持った少年」だけが操…

内田信也(村上一郎の叔父。伯父じゃなかったと思う)の自伝をやすく入手して楽しく 読んでいたんだが、二三日目を離したすきに、どこかに消えられてしまった。神隠し、 じゃない。単に整理が悪いだけなのだが、しかし、どこに行ったんだろうか。ずっと 気持…

対馬忠行『トロツキズム』(風媒社・1967→1971年) :対馬さんは『日本資本主義論争史論』(黄土社・1947年)を経由しないと、単なるトロッキスト というわけではないので誤解されるおそれあり。ずっと1932年テーゼ、戦前のコミンテルン指令に 疑問を持って…

平山洋『福沢諭吉の真実』(文春新書・2004年8月)。ISBN4-16-660394-9 推理小説風。福沢「殺し」の犯人が石河幹明となる。状況証拠は固めているが、どうなんでしょう。 まだまだ仮説の域を出ていないような感をもったが。第五章の「東亜論」をめぐる論考も…

池田草庵だった。 http://www2.nkansai.ne.jp/users/yonedake/soan/soan-nenpu.htm http://members.aol.com/nk10jo/kiko1/kino7.htmlにもある。 (9/27に追記。無断転用禁止だってさ。だから引用を削除す)。 そういや、「青谿書院」ってあったよ。八鹿をち…

考えるところあって昨日分のちょっとを削除した。 昨日の鶴瓶の「家族に乾杯」のゲストは獅童さんで、桂小五郎(木戸孝允)の潜伏先の 出石に興味をもった模様。そこでロケに選ばれた(但馬の人間は恥ずかしがり屋な傾向がある ので、tvロケ的には映えが良く…

佐藤卓己さん『言論統制』(中公新書)、鈴木庫三伝を(仮)読。おもしろし。 統制への周囲の批判はわかる。しかし統制の語を「指導」と試みに言い換えてみるべし。 されば、統制批判論者の一端に、日本の指導を拒絶し、アメリカの指導を暗に受容する その態…

承前。今日で陸軍刑法第二編「罪」紹介は最終回です。 第十一章 違令の罪 第九十五条 哨兵を欺きて哨所を通過し又は哨兵の制止に背きたる者は左の区別に従て処断す。 一 敵前なるときは一年以上五年以下の禁錮に処す。 二 軍中又は戒厳地境なるときは三年以…

ルーティン化してるけど、やり始めたから最後までやらないと。 承前。 第十章 俘虜に関する罪 第九十条 俘虜を看守又は護送する者其の俘虜を逃走せしめたるときは三年以上の有期 懲役に処す。 第九十一条 俘虜を逃走せしめたる者は十年以下の懲役に処す。(…

承前。ここも一般人も対象とする諸条。 第八章 軍用物損壊の罪 第七十九条 陸軍の工場、船舶、戦闘の用に供する建造物、汽車、電車若は橋梁又は 陸軍の軍用に供する物を貯蔵する倉庫を焼燬(せうき)したる者は死刑 又は無期若は十年以上の懲役に処す。 第八…

承前 第六章 侮辱の罪 第七十三条 上官を其の面前に於て侮辱したる者は三年以下の懲役又は禁錮に処す。(改行) 文書、図画若は偶像を公示し又は演説を為し其の他公然の方法を以て上官を侮辱 したる者は五年以下の懲役又は禁錮に処す。 第七十四条 哨兵を其…

ところで、「懲役」と「禁錮」はどうちがうのか、だとか「軍属」と「所属」はどう ちがうのかというとき、すでに、はてなのkeywordにおいて説明されていることを 知ったということを、書き忘れていた。そのキーワードの説明が正しければ、という 仮定・前提…

承前。陸軍刑法。 第五章 暴行脅迫の罪 第六十条 上官に対し暴行又は脅迫を為したる者は左の区別に従て処断す。 一 敵前なるときは一年以上十年以下の懲役又は禁錮に処す。 二 其の他の場合なるときは五年以下の懲役又は禁錮に処す。 第六十一条 党与して前…

書き忘れていたことなど。簡単に済まそう。 公式令があった(明治四〇年二月一日勅令第六号→改正大正一〇年勅令第一四五号)。 公文書、法的行為の表現について定めたもの。旧体制の日本では、法律と同時に勅令 というものが権威があったのであって、法源的…

(承前) 肝腎なところを引用していなかったのだが。 陸軍刑法(明治四十一年四月十日法律第四十六号) 朕帝国議会の協賛を経たる陸軍刑法を裁可し茲に之を公布せしむ。 旧陸軍刑法(明治14年)と新陸軍刑法(明治41年)との引継ぎのときに、陸軍刑法施行法…

あれれ。なんで、そんなレヴェルの低いこと朝に書いたんだろうな。すでに文脈が分かんねえや。 昨日のつづきをする。テクスト・クリティックどころか、単なる引用にすぎなくなっているんだが。 でもツッコミどころがちょっと分かんないということもある。 第…

つづき。 第二章 擅権(せんけん)の罪 第三十五条 司令官外国に対し故なく戦闘を開始したるときは死刑に処す。 第三十六条 司令官休戦又は媾和の告知を受けたる後故なく戦闘を為したるときは 死刑に処す。 第三十七条 司令官権外の事に於て已むことを得ざる…