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他ニ参考ニナラヌ読書録：
○横山臣平『秘録石原莞爾』ISBN:4829501529
→天才ハ独断専行スベシ、凡才ハスベカラズ。凡才天才ヲ真似テ関東軍崩壊ス。
但シ、満州国建設ガ既ニ一個ノ革命ニ当タルレバ、関東軍ノ統帥カラノ独立ハ
深刻ナル問題ヲ醸ス。
○『東條英機』（芙蓉書房）
→東條ハ一能吏ニテ独裁者ノ器ニ非ズ。彼真ニ独裁者ナラバ日米戦争ナカラン。
亦タ明治憲法ニモ問題アリ。昭和天皇ノ憲法遵守（統治スレドモ支配セズ）ハ
統帥内部ノ下克上ヘノ対症療法持タズ。更ニ、現憲法・現体制下ニ於ケル「統合
幕僚会議」ハ真ニ、戦前ノ陸海統帥ノ不一致ヲ解決シタルモノカ。統帥権ノ
問題再考ノ要アリ。以上、東條擁護派ノ見解ヲ参考ニセリ。
（訂正。「統治スレドモ支配セズ」→「君臨スレドモ統治セズ」カ）。
○香椎研一編『香椎戒厳司令官秘録二・二六事件』（永田書房）
→香椎将軍ノ手記ヲ信ズレバ、彼ノ記セルトコロノ（『史記』韓信伝ノ）
「狡兎尽キテ良狗煮ラル」ニ要約セラルトコロアリ。香椎将軍ヲ皇道派ナリト
スル則チ、二・二六事件以後ノ政治過程下ニ於ケル「妖言」ノ可能性アリ。
（訂正、何トイフコッチャ、韓信ト韓愈トヲ誤記シテヰタ）。
○井上日昭『一人一殺』
→自伝ナリ。「一人一殺」ハ正確ニハ「一殺多生」ナリ。仏教訓ナリ。
http://www.kokuchukai.or.jp/about/main3.htmノさいとアリ。
日蓮宗ノ革新派、興味深キモノアリ。法華経ノ新シキ読解含ムカ。
但シ、井上記セル、近衛文麿トノ仲誇示セルトコロ、事実ナルヤ否ヤ我ハ知ラズ。
○江藤淳編『もう一つの昭和史』（講談社・1978年）
→示唆豊饒ニシテ要約難シ。我ハ、加藤陽三、林修三トノ対話、特ニ面白キ
モノヲ感ズ。亦タ、農地解放ノ動議ハ戦前ヨリ一貫シテアリキ、占領軍改革ハ
契機ニ過ギヌ、併シ何故山林問題ヲ看過シタルカ、ナドノ指摘、現在ハ広ク行キ
渡ル意見ナレド、コノ対談時ニ於イテハ、新見解ナリシ筈ナリ。稲田正純氏トノ
対話ニ、稲田氏（当時、参謀本部作戦課長）ノ構想ノ紹介アリ。此レヲ潰シタル
モノ、辻政信ノ「ノモンハン」ナリ（『ノモンハン秘史』。コノ書ニ、稲田ヘノ
批難ニ「一度モ戦場経験ナシ」ナドノ激烈ナルモノアリ）。辻ハ木ヲ見テ森ヲ
見ヌ者ナリト稲田氏ヨリスレバ、サウナル。