総体を概観として。大雑把にいえば、次。
○一橋大(東京商科大)の市民社会派(高島善哉、太田可夫、水田洋、平田清明)。
○ロマン(小説)、劇作の技法の問題(久保栄)。
○キリスト教(かれの父はメソヂストからホーリネスに移ったが基督教徒。内田樹さんに
よると、ホーリネスの中田重治は日猶同祖論を主張したというのだが。ホーリネスの戦時中の
弾圧被害について言及した小冊子もあったな。村上一郎さんはキリスト教にも造詣が深い)。
これは明治精神史でもあるが。
○幕末・江戸思想史。水戸学派につらなる面があるから、力が入っている。
○短歌・詩歌(口語詩)の問題。いろいろ述べておられる。きわめて重要。
折口信夫、保田與重郎につらなる詩学の問題。日本浪漫派にもつながる。
○明治精神史の問題。橋川文三藤田省三などとの比較。
○かれの青春を過ごした昭和初期の情勢。日本資本主義論争、統制経済、軍閥
○軍隊の問題。軍隊科学と軍隊法学。
村上一郎の周辺の問題(吉本隆明谷川雁桶谷秀昭など)。
○他(絵画についてもちょっと述べておられる)。
いづれにせよ、私の手に負えんわ。読むべきものは山ほどあるのだが、解説書ばっかに
頼って。