「将棋」の「将」は「象」の当て字だと思うんだが、これが工夫だろうけど、
でも、曲解だとも思う。「象」だと「気象」の「象」だし、すると複雑性や渾沌
のなかに、かりそめの形が与えられるという、はじめの義があらわになると
思うんだが、「将」だと、武張ってはいるけれどもね*1。将棋に女性ファンが少ない
のもちょっとは関係していないか、この「将」の字に。暴言・暴論だけれども。
まあ象棋だと中国の象棋と慣用的に区別がつかなくなるけれども。日本象棋(日象棋)、
韓国象棋(韓象棋)、中国象棋(本象棋)だとかという表現はどうだろうか。
大体、武張りがいいというのも、ある時期からの支配的観念のわけで(まあ、今は
武張りが逆に評判が悪すぎるかもしれないが)。

*1:いや、しかし統帥権、あるいは将軍という意味か。前近代での軍制では、参謀に指揮権も与えられていたと、村上一郎にあったと思うが。韓国将棋では、「漢」「楚」という具合に陣が分かれているらしい。大内延介さんの「将棋の来た道」、名著だが、小学館文庫になっていたのに、いまは絶版になっているらしい。残念。入手しそこねた。再版してほしい。ところで、韓国のそれは日本語の片仮名にすると「チャンギ」というのだが、韓国でも「象棋」が「将棋」になったというのだろうか。どっちだっけ。