■急に急激に聴きたくなり、中古のもので、


スクリャービン:交響曲第3番

スクリャービン:交響曲第3番


をもとめる。
シノーポリのもの、テンポはやすぎに聴こえる。初めて聴いたのは
ラジオでデュトワ指揮のどこだったか、N響だったかのそれで、
神秘主義的響き濃厚のものだった。
昔に「みすず」で掲載されたもので、ワーグナー家の勘当された息子が
告発していたが(ワイルの影響が強い)、反ユダヤ主義を看板にして
いたワーグナーが実際はメンデルスゾーンをぱくりまくっているという
ところがあって、この曲にもメンデルスゾーンワーグナー的な
管楽器の使い方があり、そこが神秘主義的雰囲気を表現する。
しかしワーグナーが偉大であることにはかわりはない。フィル・スペクター
ゆらゆらコードはワーグナーの(具体的にはどこの?)影響ないんだろか?
朝比奈隆さんによると、スコアでは、ワーグナーブルックナー
比較すると単純だということだが・・・。
シュトラウスのもの、ドイツの敗戦時に作曲されているとは
知らなんだ。20世紀初頭だと勘違いしていた。カラヤンのものを
ラジオで昔、聴いてた。
とにかく、カラヤンベルリン・フィルで(最近ベルリン・フィル
ドキュメンタリーがNHK衛星で放映されていた)、しかもシュトラウスだから
ナチ美に関係するところは濃厚なんだけれども、それでもいいじゃん
最高と思えるところがある。最高の盛り上がりの15分ぐらいのところ。
新聞でどなたか、書かれていたが、1950年代だったかドイツに行って
シュトラウスの作品のオケ演奏を聴いているドイツ人聴衆の緊張した
顔、と。やっぱシュトラウスはナチに協力したところあるんだろね*1
ナチ的に見えるところもそれをナチと名指しすることには猶予が要る
のであって、その前段というのか、別の系譜があるかもしれない。
そんな単純ではない。カラヤンについてそう思う。

*1:山田由美子『第三帝国R.シュトラウス』によれば、シュトラウスはナチスのイデオロギーについては完全に馬鹿にしていたみたい。一時的にお互い利用しあっていたんだろうか。しかし早々に自分の都合よく行かない老大家に業を煮やしたナチはかれを音楽局総裁の地位からおろす。