義理で。誘われて。右京区の、嵐山といっていい、芸能神社の(多分、
太秦の映画関係者が隆盛させたと思うのだが)、車折(くるまざき)神社に
参詣す。出発が昼過ぎだったから、本当はこの後に、大阪の日本橋近くの
生國魂神社にも行こうと予定していたのだが、遅くなりすぎた、駄目だった。
元町の高架下の韓国料理屋で夕食を食べて帰宅。その後、ついでといったら
悪いが、五社目だ、生田さん(生田神社)にも参詣す。乏しい時間、車中の
なかで西田幾多郎『現代に於ける理想主義の哲學』(弘道館・1917→1924年)を
ちょこっと読む。読んだと言えないな。しかしこの当時の「現代思想・現代
哲学」の西田氏の解説を読むかぎり、新カント派のコーエン(コーヘン)は、
神秘主義っぽいところはあるな。極度の一義性の回復の議論らしいが。
コーエンは、カントの第一批判の解説書が、春秋社の世界思想全集から翻訳が
出ていたな。印象深いものとしては、鵜飼哲さんが訳されていた、デリダ
コーエン論、ユダヤ主義との関わりで(『現代思想』にいつだったか連載されて
いた)。コーエンはマールブルク学派、ヴィンデルバントやリッケルトが西南
学派、新カント派である。これを知らねば、二十世紀初頭の潮流は分からない。
わたしゃドイツ語なんてできねえ(英語だってできない。でも本当はどんなに
時間がかかっても英語訳ででも読んだ方がいいんだろうね)。結局、日本語訳に
頼る。翻訳はあるのかな。ベンヤミンも出発点は新カント派。(この西田著は、
何処でだったか、詐欺に近い廉価で入手したんだな。私が買うのは、そうしたもの
ばかりだが)。