村上さん『振りさけ見れば』には、勿論、どーでもよくないことが
いろいろ書かれている。でもね、大事なことほど、そんな軽々しく
扱えぬもので。またなぜ「自伝」という形式を採用したのか、だとか
それもあと幾つかで終了する間際に、刀で自決したのか、だとか。
謎も深い(刀で文学者が自殺することに関しては、『志気と感傷』
=国文社・1971年の三島自決の追悼文の「或るひきうた」で特別に
とりあげられている)。ちなみにこの『志気と感傷』には彼がおそらく
卒論で主題にしたであろうことが再度とりあげられているところの、
「文学情念論序説」とその補註のアルバム・タイトルの「志気と感傷」
が所収されている。村上氏のロック、ヒューム、バークレー論やあるい
は遡行してスコラ哲学についての言及を読むことができます。


『振りさけ見れば』には衝撃的な記述がいろいろとあるんだけど、
それはまた、折りを見て言及しよう。