甲:何故、日米軍事同盟ハ日本国家方針ノ基軸ナルヤ?。大前提ナルヤ。一切ガ
其処ヨリ派生ス。故ニ日本国家ノ外政ノoption狭マルト存ス。我、collective 
defenseハ結構ナルコトトハ思ヘド、親「シオニズム」ニ固マル「アメリカ」ト
一蓮托生シテ日本軍(自衛隊)ノ評判落トスコトハ日本国民ノ一トシテ願ヒ下ゲ
ナリ。果タシテ吉田茂ガ現在情勢ヲ若シ顧ミラルレバ、「アメリカ」ニ何処マデモ
忍従スルノ惰性ヲ是認セラレルカ?。一時ノ吉田茂ヲ万時ノ吉田茂ト取リ違フ
勿カレ。(ソレハ例ヘバ福沢諭吉ナドモ同様ナリ。福沢諭吉ガ或ル時ニ或ル選択ヲ
シタトイへドモ、状況異ナレバ別ノコトヲスルヤモ知レズ。参考ニスルベキコトハ
彼等ノ動態把握ニアリテ、彼等ヲ静態ノ鋳型ニ押シ込メルハ彼等ノ意図ヲ背反スル
コトニナレリ)。日本ハ大国ニシテ国際平和ニ対スル大国ノ責任ヲ有ス。友邦ノ
「アメリカ」ニ諫言デキヌヤウナ大国ナドアルベカラズ。諫言ガ容レラレネバ
友好ヲ断ツベシ。一昨日、アメリカ強硬策通ジヌトミレバ国連ニ尻拭ヒヲ強制ス。
キハメテcynicalナリ。其ノcynicハ秦ノ虎狼・粗暴ノ其レニ何処カデ通ズ。
政策ニ仁義・人情ナシ。
乙:といってもさあ、あんた、中東に行ったことないんでしょ。あんまり
知らないのに無防備なこと、いわないほうがいいよ。
甲:確カニサウヤモ知レズ。我、「アメリカ」ニモ渡来シタルコトナシ。ナレド
「アメリカ」ノ「アウラ」ハ紛ヒ物ニシテ、其処ヲ「カナン」ト捉へ違オタル
コトハ我ニハナシ。然様ナル程度ノコトハ、行カズトモ分カルモノナリ。
乙:うそうそ、ほんとはアメリカ大好きの癖にさ。とにかく早急に結論を
出さないことだよ。
甲:我ノ言ヒタキハ、主人ノ「ディスクール」ニ関シテモ同様ナリ。主人ガ若シ
誤マリ得レバ奴ハ果タシテ如何セン。「ラカン」曰ク、大文字ノ他者ノ「ディス
クール」ハ一貫セヌモノナリ。併シ亦タ、一貫セヌトモ言ヒ切レヌモノナリ。
故ニ、我ノ信条ナルガ、啓蒙ハ牛歩スベシ。「日本人」ノ体質ナルガ、純情ニ
シテ、外来観念ヲ盲信ス。朱子学、マルキシズム、ソシテ、アメリカニズム
リベラリズム)ナリ。絶エズ「主人ノディスクール」ニ熱狂セルトコロアリ。
併シ其ノ熱狂、一ヘノ希求、単純化ガ、防御壁ナリ(「日本人」特有ノセッカチ
モアルカ。息ノ短サナリ)。逃避ナリ。主人ヲ他者(物)トセヌ回路ナリ。故ニ
主人ニ深刻ニ裏切ラレタル経験(ソレハ不可避ナリ)ヲ排除ス。其ノ経験ハ背教ヲ
意味セズ。寧ロ極端ヨリ極端ニ流レルヲ戒メル中庸ノ、矛盾ヘノ寛容ノ道ヲ啓ク
(コレコソ経験論ナルガ)。「アメリカ」ニ関シテモ同様ナリ。其レヲ容易ニ純化
デキルト思フ可カラズ。
乙:はあ。そういう議論が必要なのかどうかは知りませんけど。大体あんただって
いくら住民から嫌われているからといって、今、イラクから英米軍+同盟軍が撤退
すれば、よりひどい事態が起こるってことは、分かってんでしょ?(すでに
やっちゃったんだから)。日本の政府だって、自衛隊をサマーワに送ることが、
最低限の抵抗であり、いろんな起こり得る可能性の中間を選んでいることだと私は
思うよ。彼等担当者の曖昧な選択や彼等の苦渋というものをもうちょっと理解して
信頼してあげてもいいんじゃない?。あんたの好きそうな表現をすれば、「同胞
をもっと信頼せよ」ということもあるんじゃないの。
甲:我ソレニハ承服デキズ。幾ラ非現実的ニ見エヤウト、或ヒハ「アメリカ」トノ
信義ヲ裏切ルコトニナラウトモ、自衛隊撤退ハ選択肢ノ一ナリ。識者ノ指摘セル
如ク、「日本人」ハ特ニ「日支事変」ヨリ学ブベキ点多シ(「事変」ト称セルハ
宣戦布告ノ無キガ故ナリ)。汪兆銘傀儡政権ヲ作レドモ、真ノ解決ニ至ラズ。
撤兵時期ヲ明確ニスルベシ。「アメリカ」ノ日本ノ轍ヲ踏ムコト大イニ懼レル
ベシ。
乙:でもさ、ちょっと話を戻すけど、ほんとに、アメリカ化・近代化以外の
可能性があると思う?。「他の可能性」を夢想することが、囚われなんじゃない
の?。たしかに近代化は土着化されるかもしれないけど、でも初発は近代化の
意志があったわけ。あんたにはどっか、自生主義への過大評価があってさ、
近代化によって去勢され、当時の日本人がほんとに懺悔したことを低く見積もって
いるんじゃないかな。イスラームはたしかに西欧近代の母胎らしいんだけど、
でも今流行っているイスラームは、明確にアメリカニズムのネガであって、
決して新しいものではないし、第三の道を志向するものじゃないと私は思うね。
オリエンタリズムを批判することが逆にオリエンタリズムになるという典型が
あんたなんじゃないのかね。
甲:ソレハ鋭キ指摘ナルガ、話ハ然様ニハ単純ニ非ズ。英米ハ昔ヨリ今ノ英米ニ
非ズ。ソレハ西欧ニ限リテハ、「スペイン」「オランダ」ナド、先進地位ノ
滑リ落チタル後ニソレヲ獲得ス。其ノ動因ヲ勤勉主義ニ依ルモノトシテ(商人
資本ヨリ産業資本ヘノ、「エートス」ノ転換ヲ重視セル大塚久雄ナド)、ソレヲ
最終的転換ト捉ヘル論アリタルガ、其ノ「エートス」ヲ時間的理念ト見ルベキカ、
タカダカ、地域的習俗ノ違ヒト見ルベキカ、亦タ、英国ハ東西インド会社ナドノ
侵出ニヨリテ通商特権ヲ掌握セルモノニシテ、英米産業資本ノ主体ハ、
「ヨーマン」ニ非ズ、「ジェントリー」ナリトハ、昨今ノ英米経済史研究ノ成果
ノ一ナリ。故ニ先進地位ハ、半バ、自然史的法則ニ於イテ、移行シテ行クモノ
ナルト推察スル方ガ間違ヒ少ナシ(Wallersteinハ、其処ニ過大ナル軍事出費ノ
要因ヲ挙グ。日本ガ支ヘシモノナリ)。其ノ移行過程ガ要諦ナリ、且ツ、最モ
複雑難解ナルモノナリ。先進国ハ没落シ、中進国ハ昇進セルガ、ソレガ
interactiveニ、相交渉下ニ起コレリ。故ニ「近代化」ヲ一義的ニ理念視セルコト
ヲ我ハ疑義ス。既ニ「アメリカ」ハ没落期ニ入ル。ソシテソレノ代替ノ不在ヲ我等
ハ感ズ。ナレド、其ノ「不在感」ガ不可視ナルモノニシテ、我等ノ節穴ノ眼ヲ
表ハス。既ニ新シキ事態、勃興セル途上ナリ。ソレヲ表現セル新シキ書式ニ
目覚メルベシ。


(以下略)。


でも、根本的に間違っているかもね。馬鹿(私)は死ななきゃ直らないって。
近頃は、SSI(http://www.carlisle.army.mil/ssi/pubs/authors.html)の
諸論文を読もうとしつづけているんだけど、阿呆なもんだから、なかなか英文を
読みこなせない。英語もまともにできぬものが偉そうに何かを語るなっつうんだ
ってほんと常に思うね。