一次的啓蒙[笑芸]

ある一定の歴史的状況に対応する性格構造は、幼少期に形成され工業生産力よりも
はるかに保守的である。時間の移行につれて、心理構造はそれをよりどころとして
急激に発展する社会的条件の発展に追い越される。それゆえ心理構造は、後者に
よる生活形式との葛藤をひき起こす。これがいわゆる「伝統」と呼ばれるものの、
正体である。伝統とは、云いかえると古い社会状況と新しい社会状況の葛藤に
ほかならない。
 ライヒ『ファシズムの大衆心理』(平田武靖訳・せりか書房。p.54-55)

分かりますよ。でもそれは私の言葉でいえば一次的啓蒙であって、それの意義は
一定度認めるけれども、第二次第三次の啓蒙に果たして耐えれる論拠であるか
どうかは私には懐疑的である。