平岡正明についての私的覚書

○平岡への谷川雁による影響と刻印の問題。実際はテック闘争から悪口ばかりを
述べているが、実際はそうでもあるまい。
○平岡とたとえば津村喬とは類似した問題意識を抱いているのだが、傾向としては、
後者が内観に傾いて、若干、自己閉塞的にかたまってしまうものがあるのに対して、
前者は、身体の外への働きかけ、行動に重きがある。それが水滸伝研究として
結実している。
○平岡は、実際、東アジア反日武装戦線の黒幕と一時、官憲当局から疑われた
ようだ。ポストコロニアリズムにおいて、太田龍などとともに先駆を果たして
いる。
アジア主義・民権という立場は、左なのか右なのか、分かりにくい面を持って
いる。のち、花田清輝についても言及したいのだが(まだ資料が足りない)。
○南の華僑のゆくところ、武侠小説が人気であり、原点に水滸伝がある。水滸伝
文化圏において、それは汎東アジアという視野ができる。中上の『異族』は、
水滸伝に影響を受けた馬琴の『八犬伝』を焼きなおしているのだが、平岡からの
影響はなかったのか。
○平岡の大山倍達(崔永宜)への私淑。崔が「解放後」の韓国系の民族主義団体の
幹部だったことを私は知っていたが、迂闊にも、もともと石原莞爾の東亜連盟への
共感者だとは私は知らなかった。空手にもテコンドーなどの影響があるのだろうか
?。ここは誰かに教えて欲しいが。