ヴィルノ『社会科学と人間的自然』(日本語訳題は『ポストフォーディズム
資本主義』)をみたのだが、フーコーチョムスキーとの対話(you tubeでも
見れた)を軸にして、不変項的な超歴史性と歴史還元主義との対立軸を
提出しているのだが、前者は物理化学的であり、後者は人文的・系譜学的
なのだが、まさに、立木康介の『精神分析と現実界』の問題意識(欲動=
現実界の言語・欲望への取り込まれの境界)とほぼ同一である。ヴィルノは
その第三項を目指すというのだが。(そのめざしかたにマルクス主義の認識も
入れている。しかし俗流でのマルクス主義は歴史還元主義どころか、唯物論を
超歴史的に不変項として措定しやすいのであり、無神論の実体化としての有神論に
なる文脈での俗流転化がある。そこらへん、ラブリオラとか、まさしくかつての
イタリア系の美学的マルクス主義者がいってなかったっけ? 俗流唯物論よりも
観念論のほうがましだと。このある種、通俗的な文脈があまりここでは現景化
されていない)。しかし、ちかごろ、ようやく、フランス以外の前衛的哲学が
紹介されていて、ドイツ・イタリアのそれが翻訳されていて、それは歓迎すべき
こと。
http://d.hatena.ne.jp/mkimbara/20071117#1195256931のつづき。