他人のおごりのチケットで見てきたものをくさすのは礼儀知らず
なのだが、
http://www.shochiku.co.jp/met/flute/index.html
12/31に東山四条の南座へ。
南座に入るのは初めて。
ここんところFM-NHKでバイロイトを放送していたから、
どうしても比較してしまう。やっぱ私はロマン派以降が好き
なのだな。
モーツァルトって、たしかに、ある深遠性はあるとは思うよ、しかし
軽いよねえ。
魔笛のあらすじを知らず。最初は、ある屈辱感すら覚えて、席を立ちたかった
のだが(実際、「魔笛」の差別表現については他の人も触れているようだ)、
他人の招きだから顔を立てねばならず。
しかしそのうち、そんな単純な話でもないと思えて、見る気持ちになれてきた。
しかし全体的に金粉まぶしているような印象は否めぬ。
たしかに歌い手の歌唱力は凄い(とくにゾロアスター役の人の低いvoiceは素晴らしかった、
あと「夜の女王」役の人の声も凄いんだろうが、若干、バブル的なものも感じる)、
セット・舞台装置も凝っている。金かけている。
ただもともと、18世紀までのオペラって貴族を相手にしていたわけで、
しかもその聴衆はそれを社交場として捉えていて、出し物について真面目な
聴衆のわけではないんじゃないの?
だからどうしても現代の我々も、それと関与するかぎり、俗物・俗悪化
してしまうということがあるようだ。だからロマン派の生真面目さのほうが
私は市民主義的(民族主義的でもある)で共感できる。
モーツァルトのブーム(しばしばある)って、よくわからない。胎教に良い?
ほんまかね?
価値中立的にならねばならぬが、まずモーツァルトを安易にもちあげる俗衆をぶっ殺さねば
ならないな、価値・象徴的に。