村上春樹の『1973年のピンボール』を最近に読み返したが、やはり
甘ったるくて読めたもんではなかった(私の印象ですが)。
最近、彼がカフカ賞の授賞式で公式的に喋っていたのが報道されて
いたのだが、なかなか声のいい人だとは思った。


一昨日にM.ムーアの「コロンバイン」が衛星NHKで放映されていたのだが、
思ったのだが、メジャーの報道機関での英語放映の英語は神経症じみて
いて、アメリカの「病」を感じるのだが、ムーアのドキュメンタリーでの
市井のアメリカ人の発話は、右派からリベラルまで含めて、やはり
美しく、どれだけ没落したといえど、アメリカの国力を感じる。
ムーアの編集能力にも同じ感を受ける。あんな、煤けたオッサンなのに、
途轍もない、豊かなものの背景を感じる。
アメリカは知らないのだが、しかし彼の映画を観ると、アメリカへの
私の、或るねじくれた愛が沸々と沸いてくる。